当帰芍薬散は女性の三大漢方薬の一つで、月経異常や不妊症、更年期障害、腰痛、慢性頭痛等によく用いられます。「血」の不足を補い、栄養を与えて巡りを良くして体を温める漢方処方で、冷え、貧血、むくみ、肩こり等がある人に効果があります。
構成生薬
当帰芍薬散の構成生薬は、当帰、芍薬、茯苓、沢瀉、川芎、白朮の6種類から作られています。当帰と川芎は補血、滋養強壮作用により血行を良くして体を温めます。当帰、芍薬、川芎は子宮筋の収縮と、内分泌機能を調整して月経を整えます。芍薬は鎮痙、鎮痛に働き、白朮、茯苓、沢瀉は体内の余分な水分を排泄させます。
構成生薬 | 効 能 | 性 味 | 薬 対 |
当 帰 | 補血、行血 調経、潤腸 | 甘・辛、温 | 芍 薬 川 芎 |
芍 薬 | 補血 止痛 | 酸・苦、微寒 | 川 芎 |
茯 苓 | 利水滲湿(利尿) 健脾和中 寧心安心 | 甘、平 | 白 朮 |
沢 瀉 | 利水 清熱燥湿 | 甘・淡、寒 | 茯 苓 |
川 芎 | 活血行気 袪風止痛 | 辛、温 | 当 帰 芍 薬 |
白 朮 | 健脾、補気 燥湿利水 | 甘・微苦、温 | 茯 苓 |
効能・効果(薬局製剤 漢方212方の使い方)
比較的体力乏しく、冷えまたは貧血の傾向があるもので、排尿回数多くて尿量少ないもの。あるいは冷えて下腹部に圧痛のあるもの。冷え症、頭重、めまい、月経不順、婦人更年期障害