一年を通じて一番、雨量が多くなり湿度が上昇する梅雨時期となりました。
私たちの体の約60%は水(新生児では80%、年齢とともに減少)であり、不自然な生活や、ストレスの影響から自然治癒力が十分に発揮できなくなると、自律神経系・ホルモン系・代謝系のバランスが乱れ、漢方の考え方でいうところの水毒・水滞といわれる様々な症状が顕著になる時期です。
そこで、この時期に相談件数の増えるお悩み“関節痛”“水疱性皮膚病”によく使われる漢方薬をご紹介します。
先月ご紹介した防己黄耆湯・六君子湯も使われます、あわせてご覧ください。(こちらから)
疎経活血湯
<疎経活血湯>=そけいかっけつとう
構成生薬:芍薬(シャクヤク) 地黄(ジオウ) 川芎(センキュウ) 蒼朮(ソウジュツ) 当帰(トウキ) 桃仁(トウニン) 茯苓(ブクリョウ 威霊仙(イレイセン 羌活(キョウカツ) 牛膝(ゴシツ) 陳皮(チンピ) 防已(ボウイ) 防風(ボウフウ) 竜胆(リュウタン 甘草(カンゾウ) 白芷(ビャクシ) 生姜(ショウキョウ)
※血流改善に働く生薬6味(当帰・芍薬・川芎・地黄・桃仁・牛膝)と湿を除き疼痛の緩和消失に働く生薬6味(蒼朮・茯苓・陳皮・白芷・羌活・防已)が含まれ、合計17の薬味から成り立つ処方。
効能効果:関節痛、神経痛、腰痛、筋肉痛
関節の紅腫、灼熱、疼痛の場合は別の処方を用いるが、重だるくて痛い、熱を帯びずに関節がはれぼったくなり屈伸困難な状況や痺れに用いられる。
五苓散
<五苓散>=ごれいさん
構成生薬:沢瀉(タクシャ) 猪苓(チョレイ) 蒼朮(ソウジュツ) 茯苓(ブクリョウ) 桂皮(ケイヒ)
※桂枝を除く生薬4味が全て利水剤で停滞している水を除く働きがあり、桂枝は経絡を温め、利水効果を順調にさせる働きがある。
効能効果:尿量減少し、口渇、めまい、頭痛、浮腫などを伴うもの、腎炎、ネフローゼの浮腫
効能効果には明記されていないが、水疱性の皮膚病、例えば掌蹠膿疱症や小児ストロフルスにもよく用いられる。 また、雨の日に出やすい頭痛は、その都度鎮痛剤を服用してもその場しのぎ、水毒解消で頭痛の出ない身体作りを。