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9月 デュ・アン 太極拳クラブ

スタッフブログ

デュ・アン太極拳クラブの皆様

ウェブページをご覧の皆様

2021年9月の練習について、ご連絡申し上げます。

今月は1、8、15、22、29と水曜日の練習は5回を予定しております(季節柄、台風や大雨等と重なって危険が予想される場合は前日もしくは当日の朝8時頃までにメールでお休みのご連絡を送信する予定です)。練習会場はいずれの日も赤羽文化センターを使用します(時間は9:30-11:15)。新型コロナ感染予防につきまして、緊急事態宣言期間を含みますので必要な事項を守りながら注意して参りましょう。教室では原則としてマスク着用で、お互いに適度な距離をとれるようにし、換気扇を回すなど、換気に注意して練習を行いたいと思います。

引き続き、施設利用に関して以下のようなルールがありますので遵守の上ご参加くださるようお願い致します。

①ご自宅で検温の上お越しください

(37.5℃以上の発熱、体調がすぐれない場合は参加をご遠慮ください)

②室外および共用部にて、マスクを外しての大きな声での会話を控えること

③こまめな手洗い、アルコール等による手指の消毒

等々

詳細はまた教室にて確認していきます。

床に座っての柔軟体操が心配なかたはバスタオル等の敷物をお持ちください。

施設利用に関して変更等が生じた場合はメールにて皆様にご連絡致します。

そのほか、何か気がかりな点がありましたらお気軽にお尋ねください。

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― 子どもも、おとなも、宿題を! ―

小学校の夏休みがちょうど半分を過ぎようとする8月10日、東京は最高気温36.8度を記録しました。

写真の祝島(いわいしま)の「びわ茶」はほのかな甘味と独特の渋みの豊かな風味があり、気候危機に揺さぶられる身体と頭そして心もスッキリ整えてくれます。明るく透き通ったオレンジ色も見た目に美しく、かなり愛飲しております。

夏休みは子どもと一緒に学ぶチャンスでもあります。読書感想文のためにわが家の小学6年生が図書館で借りてきたのは『ナターシャ:チェルノブイリの歌姫』。本人は「ソ連の歴史が少しは分かるかなって思ったから」という理由で手に取ったようです。

1986年4月26日に当時のソビエト連邦(現ウクライナ)で起きたチェルノブイリ原子力発電所の大事故の被害者でありながら「救援コンサート」の演奏活動を続けているナターシャ・グジーさんとそのご家族、近隣の被災者たちの生活やナターシャさんの活動の記録を中心に、当時の前代未聞の危機的状況、そしてたくさんの被害者たちの長い苦しみが生々しく描かれています。ナターシャさんは日本国内での活動でもよく知られています。

この書籍は小学校の図書室にも配架されていたようです。しかし、事故直後の消火活動や事故処理にあたった家族や友人、避難指示が遅れたために小さな子どもや生まれてくる前の子どもたちまでもが放射能汚染に生命を奪われていった記録は、大人でも最後まで読み通すのにかなりの気力を要する、壮絶な内容です。書き手は児童文学作家として広く知られている手島悠介氏。

戦争中ではなく、平時に起きたチェルノブイリ事故。大気中に放出された放射性物質の量は広島市に落とされた原子爆弾の約400倍といわれています。死者数についてはさまざまな推計があります。

当時、ソ連の事故処理責任者であったヴァレリー・レガソフは広島原爆の調査をもとに「4万人」がガンで死亡するだろうと、IAEA(国際原子力機関)の非公開会議で発表したものの、会議でその推計は否定され、「4000人」に変更して発表されました。

その後、2006年にWHO(世界保健機関)は「9000件」との推計を発表。IARC(WHOの国際がん研究機関)はヨーロッパ40か国の住民も含めて1万6000件、環境団体グリーンピースは9万3000件、ウクライナのチェルノブイリ連合というNGOは約73万4000件と見積もっているとする論説もあります。

原子力発電所は安全性の面で深刻な問題を抱えていることは言うまでもなく、周知の事実です。そして、日本では2011年の東日本大震災の津波による福島原発事故のあと、全国の54基すべての原発が停止となり、電源としても不要であることが結果的に証明されました。

「原子力発電は・・・もちろん危険です。実際、賛成論者たちが思っているほど安全なものでなんかない。もし事故があったら大悲劇です。その後遺症は何百年にもわたって残るでしょう。」

これはミヒャエル・エンデが1985年、チェルノブイリ原発事故の前年にドイツを訪れた子安美知子氏に語った言葉です。

また、エンデはエネルギーの選択肢について語る以前に考えるべきことがあると指摘します。

「人間を加速度的にエネルギー浪費に向かわせる社会制度から、どうやって私たちは抜け出すか、その問いこそが本質的です。」(『エンデと語る』子安美知子)

エンデは、エネルギーの問題が経済システムの問題と直結していることを思い出させてくれます。

 8月の記事で「世界大戦を食い止めようとした人」シルビオ・ゲゼルについて書きました。ゲゼルは、プラスの利息を生じさせる貨幣システムに基づいた経済システムこそが世界大戦を招くと見抜いていました。エンデの指摘は、エネルギーの問題は紛れもなく、その議論の延長上にあるという位置づけになります。

 チェルノブイリ原発事故においても、ソ連の事故処理責任者であったヴァレリー・レガソフは事故からちょうど2年後に自ら命を絶つとき、テープに遺言を吹き込み、経済政策の貧困が事故に結びついたと結論づけた、と言われています。レガソフの専門は化学でした。しかし、ゲゼルと同様に、人類史のワーストケースに立ち会ったからこそ、経済システムの問題を鋭く見抜き、それに言及せざるを得なかったのでしょう。

 日本国内には2021年2月10日現在、運転中の原発が9基、実際に稼働している原発が4基あるようです。いずれも西日本です。原発災害に対する危機感は地域によって温度差があるのかもしれません。

廃止・解体中のものが26基あるとされる一方で、建設中・計画中のものは4基、運転停止中のものも含めて運用中のものは30基を超えます。福島原発のように、たとえ廃炉が決定したとしても、気の遠くなるような、非現実的ともいえるほどの時間と作業を要すると見積もられています。多くの作業員のかたが日々、命の危険に曝されながら過去の巨大な負の遺産と向き合っている現状も報告されています。

「持続可能な経済システム構築」の途に就くまで、これ以上、どれだけの時間と犠牲が必要なのでしょうか。「持続可能な社会」はどのような仕組みを指すのか、それがどのような姿をしているのか、ていねいで、明確な議論が望まれます。

写真の味わい深い「びわ茶」は、祝島(いわいしま)のかたたちが原発の計画に反対し、「『原発の金に頼らない町づくり』―島おこし」として行っている運動の一環として作られているものです。原発建設反対運動は1982年からずっと継続されています。びわ茶のパッケージは祝島の伝統を大切に伝えています。

明日の自分のために、未来のために学ぶべきことはたくさんあります。

おとなの宿題は山積みです。

9月も基礎を大切に練習して、皆さんと一緒に季節の変化に備えていきたいと思います。

(^-^)

デュ・アン太極拳クラブ講師 青山明子