写真は、7月13日山形県山寺のベニバナ畑で撮りました。生薬名は紅花と言います。
ベニバナは、キク科ベニバナ属の一年草または越年草です。原産はエチオピアといわれ地中海やエジプトを通り世界中へ広まり、日本には5世紀頃に中国から渡来したといわれています。
花は、口紅や染料として古くから珍重されてきました。※染料に使用された歴史はとても古く、紀元前2500年のエジプトのミイラの着衣に、ベニバナから作った赤い染料が発見されています。ベニバナには、紅色色素のカルタミン、黄色色素のサフロールイエローが含まれています。

種子から搾った油は、リノール酸などの必須脂肪酸を多く含むサフラワー油です。古くから口紅や染料、油などに用いられたために紅藍花、嚥脂花などともいわれ、また黄から赤に変化した後に摘みとるので末摘花(すえつむはな)とも呼ばれました。

江戸時代には最上地方で多く栽培され「最上紅」(もがみべに)として有名であり、現在も山形県の各地で、広く栽培され県の名産品となっています。写真は、山形駅の構内に大々的に飾られていました。
(紅花祭りは、コロナの影響でかなり縮小して開催されていました)

生薬の紅花は、ベニバナの花を乾燥させたものです。写真は、お土産屋さんの店内でちょうど乾燥させていましたが、漢方薬として使用する紅花そのものでした。
血液の流れを改善する目的で、薬膳の素材としてもよく使われています。また、ヨモギやカミツレ(カモミール)などと混ぜて、入浴用としてもおすすめです。
紅花の効能
活血通経 ‥ お血による無月経、腹痛、生理痛 -芎帰調血飲第一加減
消腫止痛 ‥ 打撲 -通導散
※さまざまなお血による症状に用いられる。月経不順や月経困難症、産後のトラブル、打撲による痛み、循環器系の諸症状、動悸、頭痛、めまい などの改善目的で多くの漢方処方に配合されています。
紅花が配合されている漢方処方と効能効果
葛根紅花湯:あかはな、しみ
冠元顆粒:頭痛、頭重、肩こり、めまい、動悸など
芎帰調血飲:産後の神経症・体力低下、月経不順
芎帰調血飲第一加減:血の道症、産後の体力低下、月経不順
血府逐瘀丸:頭痛、頭重、肩こり、のぼせ、動悸
折衝飲:月経不順、月経痛
治頭瘡一方:湿疹、くさ、乳幼児の湿疹
通導散:月経不順、月経痛、更年期障害、腰痛、便秘、打ち身(打撲)、高血圧の随伴症状(頭痛、めまい、肩こり)