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内藤記念くすり博物館付属薬用植物園 薬草・薬木その1

スタッフブログ

薬用植物園には、約700種類の薬草・薬木が育てられています。温州ミカン・棗(ナツメ)・朴の木(ほおのき)などの薬木(樹木)の区画、薬用・毒用植物の区画、研究室・温室・イベントの区画と大きく3つに分かれています。今回はその一部をご紹介します。

生薬名は、釣藤鈎(ちょうとうこう)です。かぎ(つりばり)の形をしているので釣藤鈎の名前が付けられました。鎮痛、鎮痙(痙攣を抑える)などの働きがあり、漢方処方の釣藤散ちょうとうさん抑肝散よくかんさん抑肝散加陳皮半夏よくかんさんかちんぴはんげに主役として配合されています。これらの漢方処方は、頭痛、めまい、のぼせ、精神的興奮状態、心悸亢進、高血圧などの症状によく使われています。

皆さんお馴染みの果物のミカン(温州うんしゅうみかん)です。皮を乾燥したものを薬草として使います。生薬名は、陳皮(ちんぴ)です。芳香・苦味健胃、鎮咳、去痰などの働きがあり、漢方処方の胃苓湯、香蘇散、六君子湯、抑肝散加陳皮半夏など多くの処方に配合されています。

生薬名は、茵蔯蒿(いんちんこう)です。消炎、利胆、解熱、利尿などの働きがあり、漢方処方の茵蔯蒿湯、茵蔯五苓散に主役として配合されています。

以上になりますが、次回の薬草・薬木その2も近々に掲載予定です。ご期待ください。

追伸:下の写真はキアゲハの幼虫です。

この時期に美味しい薬草をいっぱい食べて元気なキアゲハになるとのことです。しかし、薬草を食べつくしてしまうので困りものです。