梅雨を迎えるこの時期は湿度の影響や、気温の上昇と共に冷房や冷たい飲み物の影響で身体の内部が冷え、腰痛や関節痛、神経痛の相談が増えます。
痛みは鎮痛薬を飲んで抑えているから大丈夫と思っている方、整形外科に何年も通っているが良くならない、むしろ年々悪化しているという方、病院へ行くほどではないが違和感がある方、是非一度ご相談ください。
漢方薬はお悩みの症状の経過や現状、お客様の生活面などをお伺いした上でお選びしますが、代表的な処方をご紹介します。
疎経活血湯
<疎経活血湯>=そけいかっけつとう
構成生薬: 芍薬(シャクヤク) 地黄(ジオウ) 川芎(センキュウ) 蒼朮(ソウジュツ) 当帰(トウキ) 桃仁(トウニン) 茯苓(ブクリョウ) 威霊仙(イレイセン) 羌活(キョウカツ) 牛膝(ゴシツ) 陳皮(チンピ) 防已(ボウイ) 防風(ボウフウ) 竜胆(リュウタン) 甘草(カンゾウ) 生姜(ショウキョウ) 白芷(ビャクシ)
17味と比較的薬味が多い処方であり、当帰・芍薬・川芎・地黄・桃仁は主に下腹の血流を整える。竜胆は下半身の湿熱を除き、威霊仙は鎮痙鎮痛剤として、蒼朮・茯苓・陳皮・白芷・羌活・防已・牛膝はそれぞれ風と湿を除き疼痛の緩和消失に働く。
効能効果: 関節痛、神経痛、腰痛、筋肉痛
当帰四逆加呉茱萸生姜湯
<当帰四逆加呉茱萸生姜湯>=とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう
構成生薬: 大棗(タイソウ) 桂皮(ケイヒ) 芍薬(シャクヤク) 当帰(トウキ) 木通(モクツウ) 甘草(カンゾウ) 呉茱萸(ゴシュユ) 細辛(サイシン) 生姜(ショウキョウ)
当帰四逆湯に呉茱萸と生姜を加えて温性を強くし、水を逐(追い払う)う力を強くした処方である。神経痛などの慢性のもので手足が冷え、寒冷によって悪化するものに良いとされている。とくに坐骨神経痛などに使う機会が多く、下腹部から腰にかけて牽引する痛みがあれば奏効する。
効能効果: 手足の冷えを感じ、下肢が冷えると下肢または下腹部が痛くなり易いものの次の諸症:しもやけ、頭痛、下腹部痛、腰痛
芍薬甘草湯
<芍薬甘草湯>=しゃくやくかんぞうとう
構成生薬: 芍薬(シャクヤク) 甘草(カンゾウ)
芍薬と甘草の2味からなる処方。
特に脊髄中枢性に関係のある疼痛で、これを鎮める必要のある疾病群に用いられている。坐骨神経痛、ぎっくり腰、五十肩、アキレス腱痛はもちろんのこと、胃痙攣、十二指腸潰瘍の痛み、胆石痛、、月経困難症の疼痛にも使われる。 *急な痛みに、水なしでも服用できるゼリータイプが便利
効能効果: 急激に起る筋肉の痙攣を伴う疼痛