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今月の漢方 2023.11月 乾燥、冷え対策

今月の漢方

例年より日中の気温は高めですが、さすがに11月ともなれば朝晩は冷え込み、空気が乾燥します。

この変化に対応出来るよう、日頃から心の持ち方、正しい食事、適度な運動、十分な睡眠で、生まれながらに備わっている自然治癒力を養っておきましょう。

ただ、生活養生だけでは追いつかないほど身体に悪い癖があり、乾燥・冷えからくるトラブルに例年お悩みの方におすすめの漢方薬をご紹介します。

生脈散

<生脈散>=しょうみゃくさん

構成生薬:人参(ニンジン) 麦門冬(バクモンドウ) 五味子(ゴミシ)

人参で「気」を補い、麦門冬で「津液」を補い、五味子で「気」と「津液」の消耗を防ぎます。益気生津(気を補益し、津液を生じる)・止汗の効能を持つため、夏の脱水症状を防止するのによく使われますが、この時期は空気の乾燥による津液不足で気道が乾燥し、咳などの呼吸器症状に悩まされることがあります。そういった場合にも、津液を補う処方としてよく使われ、疲労を回復し身体を整えるため、コロナウィルス感染症によって長引いた咳にもおすすめです。

効能効果:次の場合の滋養強壮:虚弱体質、肉体疲労、病中病後、胃腸虚弱、食欲不振、血色不良、冷え症、発育期

当帰四逆加呉茱萸生姜湯

<当帰四逆加呉茱萸生姜湯>=とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう

構成生薬:当帰(トウキ) 桂皮(ケイヒ) 芍薬(シャクヤク) 木通(モクツウ) 細辛(サイシン) 甘草(カンゾウ) 大棗(タイソウ) 呉茱萸(ゴシュユ) 生姜(ショウキョウ)

当帰四逆湯に呉茱萸と生姜を加えて音声を強くし、水を逐う力を強くしたもの。神経痛などの慢性のもので手足が冷え、慣例によって増悪するものによく、とくに坐骨神経痛などに使う機会が多く、下腹部から腰に掛けて牽引する痛みがあれば一層確実な目標となる。 局所に厥冷状態が激しい凍瘡に良く効くといわれている。

効能効果:手足の冷えを感じ、下肢が冷えると下肢または下腹部が痛くなり易いものの次の諸症:しもやけ、頭痛、下腹部痛、腰痛