HOME
MENU
アクセス

今月の漢方 加味逍遙散

今月の漢方

 加味逍遙散は、女性の三大漢方薬の一つで、生理痛や月経不順、更年期障害等によく用いられます。月経前になるとイライラして、小さな事に腹を立てたりする傾向がある方や、不定愁訴と言われる多様な心身の不調、頭痛、冷え性、不眠、便秘等に効果があります。

婦人科の漢方についての詳細は、こちらの婦人科特有の病をご覧ください。

構成生薬

 加味逍遙散の構成生薬は、柴胡、薄荷、当帰、芍薬、白朮、茯苓、甘草、生姜、牡丹皮、山梔子の10種類から作られています。柴胡は胸脇部の熱を取り、芍薬・甘草と共に緊張を緩和します。当帰と芍薬は血を補いながら血行を良くしていきます。薄荷は体表部を冷ましながら発散し、生姜と共に胃の働きを高めます。白朮と茯苓は胃中の余分な水分を取り除いて利尿に働きます。牡丹皮は活血して瘀血を取り、山梔子には消炎、鎮静作用があります。

  構成生薬効  能性  味薬  対
  柴  胡辛涼解表
疏肝解鬱
苦、平。やや寒芍  薬
  薄  荷辛涼解表・利咽 
透疹
辛、涼   ―
  当  帰補血・行血
調経・潤腸
甘・辛、温芍  薬
  芍  薬補血・止痛
養陰柔肝
酸・苦、微寒甘草・柴胡・当帰
  白  朮健脾・補気 
燥湿利水
甘・微苦、温茯  苓
  茯  苓利水滲湿
健脾和中・寧心安心
甘、平白  朮
  甘  草補気、清熱解毒
止痛
甘、平芍  薬
  生  姜発汗解表
温中止嘔・解毒
辛、微温   ―
  牡 丹 皮清熱涼血
活血化瘀・清肝火
苦・辛、微寒   ―
  山 梔 子清熱瀉火
涼血解毒
苦、寒   ―

※薬対とは・・・生薬を2つ以上組み合わせ、互いの効力を引き出す事。

効能・効果(薬局製剤 漢方212方の使い方)

 体質虚弱で肩がこり、疲れやすく、精神不安などの精神神経症状、ときに便秘の傾向のある次の諸症:冷え性、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症