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ステロイドの話

コラム ~テイクイット・イージー~

だいぶ有名になったステロイドだが、本来は決まったステロイド骨格を持つ化合物の総称である。体内に何種類もあり、それぞれ生体機能を保つための重要な役割を持つ。よく知る所のコレステロールも仲間のひとつで、悪さばかりがアピールされるが、ステロイドホルモンを作るには必須の脂質である。

頻繁に用いる薬剤は、いわゆるステロイドホルモンを配合した医薬品を言う。抗炎症作用が強く種類も数多いので、身体のあらゆる炎症性疾患に用いて効果も良い。

以前はそれを期待するあまり、多量に長期間、漫然と使用していた症例も少なからずあったと思われる。現在では情報の共有も進み、適切な薬剤を適切に使用できるため、処方通りに服用していれば怖がる必要はない。

昭和53年の薬剤師になってすぐ、ステロイドホルモン剤の添付文書を初めて見た時には、一枚半にも渡りびっしり書かれた副作用の多さに驚いたものである。種類も多く効能効果が多岐にわたるので、仕方のないことと気付くのは後のことだ。

人体が小さい宇宙のように例えられるように、それを支えるステロイド含めた体内物質にも、まだまだ解明されていない作用は無限大だろう。新型コロナ同様、みんな未知のものには恐れを抱く。正しい知識と解決する知恵を、いち早く身につける努力をし続ける事。これが何百万年続く人類の歴史である。