写真は、ハクモクレン(白木蓮)です。
生薬の辛夷(シンイ)は、モクレン科のコブシ、ハクモクレン、タムシバなどの開花前の蕾を乾燥したものです。因みに、コブシの漢字は辛夷と書きます。
中国産の 辛夷(シンイ) は、ハクモクレンやモクレンですが、日本ではコブシ(辛夷)で代用されて来ました。
コブシとハクモクレンの花は似ていますが、大きさがやや小さめで、花の下に葉がついている点が異なります。また、ハクモクレンよりも花びらが広がって開花します。コブシの名前の由来は、蕾の形が子供の握りこぶしに似ていることや、実はデコボコの突起がありやはり握りこぶしに似ているためと言われています 。また、紫モクレン(写真)以外のモクレン科のモクレンは白い花です。
辛夷(シンイ) には、解熱、発散、鎮痛の効能があり、鼻炎や蓄膿症などに用いられます。
辛夷(シンイ) が配合されている漢方処方は、葛根湯加川キュウ辛夷、辛夷清肺湯があります。それぞれの構成生薬と効能効果(薬局製剤業務指針・効能又は効果)を参照してください。
葛根湯加川キュウ辛夷の構成生薬は、桂枝、芍薬、大棗、生姜、甘草、葛根、麻黄、川キュウ、辛夷 効能効果は、鼻づまり、蓄膿症、慢性鼻炎
辛夷清肺湯の構成生薬は、辛夷、石膏、黄ゴン、山梔子、知母、升麻、枇杷葉、麦門冬、百合 効能効果は、鼻づまり、慢性鼻炎、蓄膿症