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今月の漢方 2023.9月 

今月の漢方

9月はがん征圧月間です。

日頃の生活養生と、未病の段階で現れる症状を単に抑え込むのではなく、からだの正常な機能と質を高める方向で対処し、病気の予防をしておきましょう。

検査、外科的手術、投薬治療、保険など、病気になってからの体制は整っていても、病気にならないもしくは病気になっても大丈夫な身体づくりをしている方はまだまだ少ないです。

そこでお役に立てる漢方薬をいくつかご紹介します。

桂枝茯苓丸加薏苡仁

桂枝茯苓丸加薏苡仁>=けいしぶくりょうがんかよくいにん

構成生薬:桂皮(ケイヒ) 芍薬(シャクヤク) 桃仁(トウニン) 茯苓(ブクリョウ) 牡丹皮(ボタンピ) 薏苡仁(ヨクイニン)

効能効果:比較的体力があり、ときに下腹部、肩こり、頭痛、めまい、のぼせて足冷えなどを訴えるものの次の諸症:月経不順、血の道症、にきび、しみ、手足のあれ

桂枝茯苓丸に薏苡仁(よくいにん:ハトムギの殻を取り去ったもの)を加味した処方。

血流が悪くなると各所に痛みとしてサインが出ます。単に痛みをなかったこととして薬で抑え込むのではなく、特に食事やストレスの影響を受けやすい血の質を良くし、漢方の力添えで巡りを良くしておくことは生活習慣病や癌などの病気を回避するのに重要な対策です。

子宮筋腫、卵巣嚢腫、甲状腺腫などにも奏効する場合があるので、早めにご相談ください。

補中益気湯

<補中益気湯>=ほちゅうえっきとう

構成生薬:人参(ニンジン) 蒼朮(ソウジュツ) 黄耆(オウギ) 当帰(トウキ) 陳皮(チンピ) 大棗(タイソウ) 柴胡(サイコ) 甘草(カンゾウ) 生姜(ショウキョウ) 升麻(ショウマ)

効能効果:元気がなく胃腸の働きが衰えて疲れやすいものの次の諸症:虚弱体質、病後の衰弱、食欲不振、ねあせ

升麻(しょうま:キンポウゲ科サラシナショウマの根)には昇提作用があり胃下垂、肛門脱出、子宮下垂などにもこの処方は使われています。

消化器系の機能低下を回復させる働きがあり、“気”“血”を生ずる大事な器官なので、食養生と同時に病気予防としてしっかり整えておきましょう。 また、癌の治療中、治療後の体力低下、食欲不振にも使われる処方です。その場合、体力のある程度残っている時に使用し、さらに消耗している場合は十全大補湯で“気”も“血”も補う方が良いとされています。