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今月の漢方  2023.3月 肝の病症

今月の漢方

自然界では陽の光がさす時間が増え、気温の上昇と共に風や草木の芽が吹く時期です。

漢方の考え方五行論(身体を肝・心・脾・肺・腎の5つに分けて捉える考え方)では特に肝に影響が出やすくなります。

肝は身体の上部、自律神経系、肝臓の解毒機能と関係が深いため、この時期のお悩みは頭痛、めまい、不眠、目の疲れ、目の充血、蕁麻疹などの症状が増える傾向にあります。

ただこれらの症状は正常な状態を保つ機能(=自然治癒力)の低下によって長引いたり、繰り返すこととなりますので、放っておかずに早めに体質改善をし、症状のない身体を目指しましょう。

抑肝散加陳皮半夏

<抑肝散加陳皮半夏>=よくかんさんかちんぴはんげ

構成生薬:柴胡(さいこ) 釣藤鈎(ちょうとうこう) 蒼朮(そうじゅつ) 茯苓(ぶくりょう) 当帰(とうき) 川芎(せんきゅう) 陳皮(ちんぴ) 半夏(はんげ) 甘草(かんぞう)

肝気の巡りが不安定になると出やすい症状、めまい・ふらつき・痙攣やイライラ・不眠・頭痛を改善し、二陳湯の主薬である陳皮と半夏が吐気や動悸息切れにも良いとされる漢方薬です。

1日1回30分程煮出す煎じ薬は芳香成分も身体に良いとされ、手間をかけた分改善も早い傾向があります。

毎日煎じる事が難しい場合は、抽出した煎じ液をパックにしたレトルトタイプがあり使いやすいのが特徴です。ご旅行出張の際は持ち運び出来る粉薬もご用意しています。

効能効果:虚弱な体質で神経がたかぶるものの次の諸症:神経症、不眠症、小児夜なき、小児疳症

苓桂朮甘湯

<苓桂朮甘湯>=りょうけいじゅっかんとう

構成生薬:茯苓(ブクリョウ) 桂枝(ケイシ) 白朮(ビャクジュツ) 甘草(カンゾウ)

茯苓が水はけを良くし、動悸やめまいなどの動揺性症状を治し、桂枝は血行を良くし、気の上衝を鎮める働きがあります。

腹部は柔らかいが心下部が痞えて、詰まったような感じや、したから突き上げられるような感じをし、立ち眩み、心悸亢進、息切れ、局所的な運動障害や神経過敏状態のあるものに用います。 就職や新学期の始まりで体調を崩しやすい時など早めの対策で、お悩み・症状のない身体を目指しましょう。

効能効果:たちくらみ、頭重、胃内停水感などがあるもの、心悸亢進症、めまい、胃下垂、胃アトニー