一に養生、二に薬
2019.04.01
養生について
漢方では、“一に養生、二に薬”というとても素敵な言葉があります。病気を根本的に改善するには、“一に養生”が大切であるという教えです。
“養生”という言葉については、一般的には、病気になったので
- 少し休養しよう
- タバコ・お酒・甘いものなど、身体に悪いものを控えよう
- 玄米など身体によいものを食べよう
などが思い浮かぶでしょう。
養生”という漢字は、“養(やしな)う・生(せい)”と書きます。
“養レ生”と書けば、“生を養う”となります。
“生を養う”とは生(せい)≒生命(いのち)≒生命力、すなわち“生命力(いのちの力)を養う”ということです。
また、生(せい)≒生活であり、その基本はいきいきとした生活習慣にあります。
このように、本来の“養生”の意味は 『生命力を養うこと』『生活を養うこと』であり、自分がより輝く、より豊かになる、より成長発展する、そして喜び(歓喜)・感動・感謝の気持ちが、より溢れ(あふれ)でてくることなのです。
したがって、“養生”は、単に病気になったから養生をするということではなく、昨日よりさらに今日は、明るく、楽しく、元気に素敵な自分の創造に向かって、前進していることともいえます。
ウエルネスについて
“ウエルネス:wellness”という言葉をご存知ですか?ウエルネスという概念は、アメリカのハルバート・ダン博士が1961年に出版した「ハイレベルウエルネス」という本によって提唱されました。
本来の健康とは、単に病気でないということだけではなく、自分のライフスタイルを積極的に改善し、明るく・楽しく・元気で、
輝くように生き生きとした状態であると定義し、これを「ウエルネス」と表現しました。
まさに、漢方でいう“養生≒ウエルネス”ですね。“養生”というと、○○を止めよう・○○をガマンしよう・○○をガンバろー、など少し暗いイメージがありますが、“ウエルネス”では、“
生活を楽しむ”ことが前提です。
仕事を楽しむ・食事を楽しむ・スポーツを楽しむ・余暇を楽しむ…、とても明るく・楽しく・元気になるイメージです。
いきいき養生ライフ(ウエルネス)の実践
きらきら輝く日々(いきいき養生ライフ)を過ごすためには、次の3つのウェルネスの実践が大切です。
順番がとくに重要です。
1. 気(気持ち)の使い方
- 呼吸を意識し、上手な呼吸習慣を身につける
- 言葉を素敵にする
- イメージを素敵にする
2. 動
3. 食
気(気持ち)の使い方
「思考の力、イメージの力、言葉の力」を正しく理解し、活用してゆくことが、上手な気(気持ち)の使い方といえます。まずは、この絶大なる力についてご紹介します。
すべてはあなたの気持ち次第
「思ったこと、考えたこと、イメージしたこと、言葉に出したこと」が、その通りに成るというのが自然法則です。
皆さん、周りを見渡してみてください。
大自然が創造したもの(宇宙、自然、生命…)以外で、見えるもの触れるものの一切すべては、人間の「思考、イメージ、言葉」から作られているということがわかりますね。
「思ったこと、考えたこと、さらにイメージし、言葉としたもの」が現実になっていくということです。
車や飛行機の発明も、もともとは人の「思考やイメージ」から生まれた
たとえば、車や飛行機についてみてみましょう。
最初は、“速く楽に遠くまで移動できたらいいな、鳥のように空を飛んでみたいな”というような思いから始まり、さらに思考し、イメージし、言葉とし、工夫を重ねてゆき、ついには現実となります
このように、車、飛行機に限らず、あらゆるすべては、人間の「思考、イメージ、言葉」からできているといえます。
「素敵な思考、イメージ、言葉」を多く使っていれば素敵な状態が現れ、その逆の「悪い思考、イメージ、言葉」を多く使っていれば悪い状態が現れてくるのが自然法則なのです。
このように「思考、イメージ、言葉」には、その人の人生を良くも悪くもするという絶大なる力を持っているわけです。
この事実をしっかりと認識し、今から「素敵な思考、イメージ、言葉」で生きてゆきましょう。
プラス思考じゃなきゃダメ、というわけではない。自分自身の心に耳を傾けよう
しかし、ここで気をつけたいことは、 “プラス思考じゃないとダメだとか、プラス思考になれない自分がダメだ”とか思いがちですが、人間はもともと、マイナス(思考、感情、感覚)が出るように創られているということです。
マイナスに成って良いんだということが分かれば、マイナスが現れても気楽に考えられるようになり、長く引きずることなく、プラスに切り替えられるようになります。
正しい姿勢、正しい呼吸の習慣が身についてゆくと、この切り替えが早くできるようになり、絶大な力の恩恵を受けられるようになってゆきます。“継続は力なり!”しっかりと身につけ、幸せ創りの達人となりましょう。
※姿勢、呼吸法:漢方養生学教室にてご紹介しています
動・食
漢方では、「
少飲少食多動(しょういんしょうしょくたどう)」という言葉があります。
摂りいれるものを少なく、出すものを多くしなさいという教えです。
“美味しく、楽しく、少なめにいただく!ワクワク、ウキウキ、活発に動く!”
ここでも前提は、
食を楽しむ、動を楽しむです。