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今月の漢方(処方-3) 桂枝茯苓丸

今月の漢方

桂枝茯苓(けいしぶくりょう)(がん)()(けつ)と水分の停滞を改善するもので、女性の三大漢方薬(加味逍遥散、当帰芍薬散、桂枝茯苓丸)の一つです。のぼせやすいのに足が冷えたり、下腹部が張る感じがする人に向くもので、月経不順、更年期障害、頭痛、肩こり、めまい等にも用いられます。女性に多く使われる漢方薬ですが、瘀血という血行障害が関係するものに幅広く使われます。

構成生薬

桂枝茯苓丸の構成生薬は桂皮、茯苓、牡丹皮、桃仁、芍薬の5種類から作られています。桂皮は肉桂・シナモンの事で、発汗や四肢の末梢血管を広げる事により血行を促進して体を温めます。茯苓は体内の余分な水分を取り除き、むくみを改善します。桃仁と牡丹皮は駆瘀(くお)血薬(けつやく)して用いられ、芍薬と共に血液循環を良くして瘀血を取ります。

 構成生薬効  能性  味薬 対
 桂  皮発汗解表、止痛辛、温 桃 仁 
 芍  薬補血、止痛酸・苦、微寒  ―
 桃  仁活血袪瘀 排膿、潤腸苦・甘、平 牡 丹 皮
 茯  苓利水滲湿、健脾和中 寧心安神甘、平    ―
 牡 丹 皮清熱涼血、活血化瘀 清肝火苦・辛、微寒  桃 仁

※桂皮は、本来「桂枝」でしたが、日本に伝来する時に間違って伝えられ「桂皮」になりました。

効能・効果(薬局製剤 漢方212方の使い方)

のぼせ症で、血色よく、頭痛、肩こり、めまい、下腹部痛、足腰の冷えあるいは鬱血(うっけつ)などを伴うもの

月経不順、月経困難症、打撲傷、婦人更年期障害