4月は五臓の“肝”と関りが深く、自律神経系を主っているため、入学、進学、就職、転勤など環境の変化とともに出やすい心の悩みの相談が増えます。
心身一如、心のバランスが乱れれば体のバランスも乱れます。
今回は、心の不調とともに出やすい症状改善によく使われる代表処方をご紹介します。
柴胡疏肝湯
ストレスなどを受けても上手に発散できず、気の巡りが悪くなり、胸や脇、腹が痛むもの、気を使うとその痛みがだんだんと強くなる特徴の症状に適している。また、気の滞りが循環障害を起こし、頭痛や肩背がこわばる場合にも使われる処方。
効能効果:体力中等度で、胸腹部に重苦しさがあり、ときに頭痛や肩背がこわばるものの次の諸症;腹痛、側胸部痛、神経痛
柴朴湯
風邪をひきやすく、疲れ易く、神経質で食欲も細く、見るからに虚弱体質に適応。
気の詰りからくる、動悸、咳、呼吸困難、あくび、しゃっくりにも奏効し、喘息患者の体質改善ないしは体調調節としてもよく使われる。
効能効果:気分がふさいで、咽喉、食道部に異物感があり、時に動悸、めまい、嘔気などを伴う次の諸症;小児喘息、気管支喘息、咳、不安神経症
加味帰脾湯
大病後の疲労や精神の過度の疲労からくる不眠、貧血、健忘に怒り、いらだちを伴った症状には、帰脾湯に柴胡・山梔子を加えたこの処方が良いとされる。
効能効果:虚弱体質で血色の悪い人の次の諸症;貧血、不眠症、精神不安、神経症