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2024年11月のデュ・アン太極拳クラブ

デュ・アン太極拳クラブ

デュ・アン太極拳クラブの皆様

ウェブページをご覧の皆様

 2024年11月から12月の練習について、ご連絡申し上げます。

水曜日の練習は11月は6、13、20、27日の4回、12月は4、11、18、25、の4回を予定しております。会場はいずれの日も赤羽文化センターを使用します(時間は9:40-11:20)。

新型コロナ感染予防につきまして、日常生活でのマナーは緩和される方向になってきていますが、施設内では引き続き必要な事項を守りながら注意して参りましょう。現時点では、教室でのマスク着用は各自の自由判断となっております。お互いに適度な距離をとれるようにし、換気扇を回すなど、換気に注意して練習を行いたいと思います。引き続き、施設利用に関して以下のようなルールがありますので遵守の上ご参加くださるようお願い致します。また、変更があるときは教室にてお伝え致します。

①ご自宅で検温の上お越しください(37.5℃以上の発熱、体調がすぐれない場合は参加をご遠慮ください)

②室外および共用部にて、マスクを外しての大きな声での会話を控えること

③こまめな手洗い、アルコール等による手指の消毒等々詳細はまた教室にて確認していきます。

床に座っての柔軟体操が心配なかたはバスタオル等の敷物をお持ちください。施設利用に関して変更等が生じた場合は次回メールでも皆様にご連絡致します。

そのほか、何か気がかりな点がありましたらお気軽にお尋ねください。

**気象災害激甚化に無識に加担しないために**

能登半島地域で2024年1月の地震とさらに9月の豪雨による、想像を絶する困難に直面されている方達が一日も早く安心できる暮らしのための環境を整えていく手厚い支援が早急に必要とされています。

一体いつになったら国会で能登半島復興支援のための補正予算が組まれるのでしょうか。予備費のみで被災地での迅速かつ十分な生活再建を進めていくのは難しく、財政民主主義を無視しています。同じ日本に暮らす者として「明日は我が身」と捉え、様々な方法で強く意思表示をしていくことが求められます。

<加速していく気象災害の激甚化>

先月、9月21日の午前中、何気なく雨雲レーダーの画面の表示範囲を広げて、能登半島の先端が真っ赤になっている画像が目に飛び込んできたとき、文字通り血の気が引き、心臓がバクバクと鳴り始め、なぜまだ復興途上の能登に・・と呆然としているうちに次々と被害情報が伝えられ始めました。そして、この文章を書いている今も米国フロリダは100年に1度のカテゴリー5にまで海上で発達したハリケーン、ミルトンは複数の竜巻被害を引き起こしたのち、半島を横断し始めました。約半月前、200人以上の命が失われたハリケーン、へリーンによる高潮災害が残した大量のガレキが強風で吹き飛ばされています。夜明けまでは被害の全貌は正確には把握できない状況。

アジア地域でも9月27日からの豪雨でネパールの首都カトマンズでは大規模な洪水と土砂災害により、確認できているだけでも190人以上が亡くなる大惨事。モンスーンの時期が終わろうとしているこの時期に考えられない、という当事者の言葉はバングラデシュで大規模洪水に見舞われた被災者の方達とも一致していました。バングラデシュの市民は災害対応に追われながら民主主義制度の実質的な確立を目指している真っ最中でもあります。

<ヒトが加担し続けている不自然な地球温暖化のしくみ>

気象災害の激甚化はただの自然現象とは異なります。19世紀末の産業革命以降の石炭、石油、天然ガスなどの化石燃料の使用によって排出され続けている二酸化炭素(CO2)による地球温暖化が引き金になっていることは、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の2021年の報告の中で「疑う余地がない」結論づけられました。 

「国際防災機関が編纂した報告書によると、21世紀初めの20年間に報告された干ばつの件数は、20世紀の20年間と比べると、1.29倍に増え、暴風雨は1.4倍、洪水は2.34倍、熱波は3.32倍に増えた。気候変動が進むにつれて、これらの悪影響はさらに深刻になることが予測されている。」(沖大幹2022)

この2年前の予測通り、台風や洪水、土砂災害に慣れているはずの日本でも、予測が困難な線状降水帯発生という経験したことのなかった気象状況とそれによる被害を頻繁に目の当たりにするようになり、酷暑は誰にでも体感できるほど極まる様相を見せています。

<生活の中で少しでもマシな選択をしてみる>

電気、水道、ガス、通信ライフラインの恩恵を享受し、航空機で世界を旅することができる人、また国際社会の所得のピラミッドの頂点に位置する人、またそれに近い人は要注意です。人類の生存を可能にしている生態系のバランスを、傍若無人に突き崩すことに無意識に加担している可能性が高いからです。

いまや米国で大人気のアーティストやセレブであっても頻繁にプライベートジェットで移動していることを公然と批判されています。程度の差はありますが、北半球の先進国に暮らす人たちの多くは、自分も含めて、長い間自分たちの行動や選択がもたらす影響について無自覚のまま生活してきています。

エネルギー政策、食糧生産、物流システムは世界規模で展開されていて、個人の判断や行動はその末端に位置付けられています。変化を起こすには末端からできることを積み重ねて生活するしかない、と私は考えます。

<「身土不二」はますます的を得ている>

生態系に配慮する行動は自分の心身の健康に直結します。日本の伝統食を基本とした食養の考え方「身土不二」は今の時代ますます的を得たものとして深みを増しています。私たちは大地の恵みによって、また直接にも間接にも海の恵みによって生かされています。汚染の心配がないことが大前提にはなりますが、身近で収穫された無農薬の穀物や野菜を食べることは輸送による二酸化炭素排出を減らし、新鮮で栄養価の高い食べ物を口に入れることにつながります。そして、空気、水、土を汚さない農法は持続的であるためには不可欠です。

日本に暮らす私たちは植物ベースの食生活を快適に実践できる選択肢を豊富に持っています。玄米と大豆はそれぞれの良質のタンパク質を含んでいる上に、互いに必須アミノ酸を補い合ってもいるそうです。

そして日本食を食べられない環境で菜食を実践する場合、どうしてもビタミンB12が不足するのでサプリメントが必要だと言われますが、実は日本食の海苔、青のり、岩のり、青さのりなどでビタミンB12が摂取できるのです。

私自身は体調管理のために、約20年玄米食や無農薬の野菜やお茶を積極的に取り入れた食事を試みてきましたが、家族や友人との関係が険悪になることを恐れて、厳格になりすぎないように、というブレーキが常に働いていました。

しかし、2021年の夏、以下の文に触れ、自分がどのような行動を取ることが望ましいのか、真剣に考えました。

「従来森林であったアマゾン地域の75%以上が今日家畜のエサとなる牧草地へと転換されました」

「1人の人間が1年に消費する肉と畜産副産物を生産するのに、900キロ以上の穀物が与えられます。しかし、もしその1人が動物を介せず直接、穀物を消費すれば1年で約180キロの量で足ります。」

「畜産業は水質汚濁の三大要因のひとつとなっています。汚染の主な要因は抗生物質、ホルモン剤、皮なめし工場からの化学物質、動物の排泄物、浸食した牧草の堆積物、家畜飼料に使われる肥料と殺虫剤です。」(Melanie Joy2022、玉木麻子訳)

事実を知り、可能な限り倫理的な選択をする、なるべく無農薬の物や国内で収穫された農産物で工夫して美味しく食べる。そしてまだ途上の再生エネルギー供給もその中身を吟味しながら選んで契約する。自宅からの排水は生分解しやすい石けんなどのみを出すようにし、合成界面活性剤や石油由来成分、化学合成された殺虫成分を水に流すことはしない。毎日の生活の中でできることは何か、常に情報収集し、考える日々です。

江戸時代から続く日本の「食養」や海外から逆輸入の形で定着した「マクロビオティック」の基本的な考え方は、肉、魚、卵、乳製品、白砂糖は摂らない、農薬を使用しない玄米や雑穀を混ぜたご飯と野菜や安全な方法で作られた海藻がたっぷり入ったお味噌汁を中心に食べるというものです。身体を丈夫にし、持続可能な農業を想定したこの考え方は、気象災害の激甚化に対してブレーキとなり得る先人からの大切な贈り物ではないでしょうか。

<太極拳の練習は自分をコントロールすること>

太極拳の練習では、自分の身体や力を細かく調整、コントロールできるように繰り返し基礎を学びます。セルフコントロールが上手くできれば、自分も周りも不必要に傷つくことなく過ごせる、と広く解釈できます。

私たちは高度に複雑化された社会の中で、貧困に追い込まれた立場の弱い人を犠牲にした経済、自然環境に深刻なダメージを与え、自然そのものから搾取し、暴利を貪る産業、行政、金融システムの中で暮らしています。そうした事実の関連性を見抜くこと、論理的に思考し、行動することが求められている、と私は考えます。

太極拳の練習を通じて、不安定な天候の中でも体調を整え、みんなで学びを深めながら秋冬を元気に過ごしてまいりましょう。

(^-^)デュ・アン太極拳クラブ 青山明子