一年の始まりに健康を願う方が多いと思いますが、健康とは外から与えられるものではなく、自ら生涯目指すもの。
積極的な生活養生で健康回復・維持増進は加速しますが、お辛い症状を効率よく改善していくには生薬の恵み=漢方薬がおすすめです。
心の持ち方、生活習慣により、血の質が左右され、質が悪くなると、自律神経系、ホルモン系、代謝系に異常をきたし病気となります。
厚生労働省データによると、降圧剤を服用している割合は70歳以上では半数以上、最近では若い年齢から服用するケースも増えています。
高血圧のご相談で、「薬を毎日飲みたくない」とおっしゃる方が多くいらっしゃいます。それでしたら体質から改善し、降圧剤の必要がない健康な体を目指すしかありません。
寒くなると外出の機会が減り、血流も悪くなりがち、寒さで血管も収縮しますから、この時期は高血圧の相談も増えます。
今月は、高血圧のお客様によく現れる症状改善に使う漢方薬をご紹介します。
釣藤散
釣藤鈎には末梢血管拡張作用があり、鎮静鎮痙作用もある。
菊花は昔から不老長寿の薬として使われてきた。「菊枕」は安眠を約束し、目をよく見えるようにするという。
癇症で、のぼせ症、動脈硬化のための後頭部から天頂にかけて頭痛する場合に奏効する。
効能効果:慢性に続く頭痛で中高年以降、または高血圧傾向にあるもの
柴胡加竜骨牡蛎湯
体格が良く、体力がある人に使う。また、物音に敏感などの精神症状がある人に効果がある。
竜骨と牡蛎は神経の鎮静作用を有するため、働き盛りで責任感の強い管理職で血圧高め、頭がさえて眠れないなどの症状がある場合によく使われれる。
効能効果:精神不安があって、動悸、不眠などを伴う次の諸症;高血圧の随伴症状(どうき、不安、不眠)神経症、更年期神経症、小児夜泣き
八味地黄丸
六味地黄丸に桂皮と附子を加えた処方。気を補い、血・水の滞りをなくすことで、血圧の上昇やそれに伴う、頭痛、耳鳴りに効果があるとされる。 八味地黄丸のように処方名の最後に“丸”が付く処方は、構成生薬を粉末にして蜂蜜で煉って丸薬にし、酒で服用すると書かれている。
効能効果:体力中等度以下で、疲れやすく、四肢が冷えやすく、尿量減少または多尿で、ときに口渇があるものの次の諸症;下肢痛、腰、しびれ、かすみ目、かゆみ、排尿困難、残尿感、夜間尿、頻尿、むくみ、高血圧症に伴う随伴症状の改善(肩こり、頭痛、耳鳴り)、軽い尿漏れ