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今月の漢方  2024.9月 咳の漢方

今月の漢方

自然界のすべてのものは木・火・土・金・水の5つの要素から成り立つと考えらえれ、秋は「金」に属します。

「金」は五臓では“肺”が当てはまりますが、西洋医学でいうところの臓器とは少し意味合いが異なります。

“肺”は経絡で大腸とつながっていています。また呼吸機能や鼻、皮膚とも関係しているので、この時季は咳、鼻水、皮膚の乾燥のお悩みが増えます。

コロナもインフルエンザもワクチンに頼ることなく、生まれながらに備わっている自然治癒力を十分発揮させることで、流行っていてもかからない身体づくり、かかっても重症化しない身体づくりをすると同時に、症状が出ている時や長引いている時は漢方薬を服用しましょう。

今回は、咳に使われる処方をいくつか紹介します。

麻杏甘石湯

麻黄湯より桂枝を去り石膏を加えた生薬で成り立つ処方。石膏は清熱消炎作用があり、興奮を鎮め口渇を止める。麻黄は本来発汗作用があるが、石膏と組むと止汗作用に方向転換する。処方名は構成生薬の頭文字を並べたもの。

効能効果: 咳がはげしく、発作時に喘鳴や頭部発汗を伴うもの気管支喘息、気管支炎

麦門冬湯

麦門冬、人参が津液不足を補い、半夏が濁飲を去り、排気を補い気道を開く。人参、大棗、粳米は胃気を補い、肺の虚を補う助けをする。激しい空咳が出て、咽喉がつまって呼吸ができなくなるくらいの状態にも使える。妊婦が咳をすると、腹にこたえてとてもつらく、尿を漏らすことさえあるが、この席に不思議と奏効する。

効能効果: 痰の切れにくい咳、気管支炎、気管支喘息

柴朴湯

小柴胡湯と半夏厚朴湯の合方。風邪をひき易く、疲れやすく、神経質で食欲も細く、見るからに虚弱体質といえる体質で顔色も悪く皮膚の色艶も良くない体質に適応する。

効能効果: 気分がふさいで、咽喉、食道部に異物感があり、時に動悸、めまい、などを伴う次の諸症:小児喘息、気管支喘息、気管支炎、咳、不安神経症