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性的虐待顛末

コラム ~テイクイット・イージー~

幼い頃に実父からの性被害にあったというのは、昔からよく聞く話だ。
知識もないから意味がわからない。ただ怖くて嫌な記憶だけだ。ある程度成長して初めて知る、辛い経験であろう。
知り合いの女性は実家がお寺で、実父はもちろん住職であった。檀家の人々から尊敬される立場なはずだ。その父親から性的虐待、昔風に言えば近親相姦を受けていた女性は、何十年か後に多重人格となっていた。
子供の頃、知らないお兄さんに遊ぼうと言われ竹薮について行き、乱暴された女性もいた。ナイフを見せられ脅された怖い記憶は、子供ながらに人には言えない事と理解して、誰に聞かれても忘れたと笑顔で答えた。それからは無表情よりもむしろ、いつ誰に対しても笑顔を作った。
みんな忘れたい現実からの逃避の結果である。
このように、トラウマからのPTSDは一生潜在意識に残り、色々な症状を持つ人間を作り上げてしまう事が多いのだ。
先日のニュースでは被害者の女性が民事裁判に訴え出て、実父も罪を認めたのにも関わらず、20年経っているため賠償責任は問われないと敗訴した!
いくら法律とは言え、ニュースを見てひさしぶりに頭から湯気が出た😡優しさのかけらもない、無慈悲な判決としか思えない。控訴はするだろうが、またまた誹謗中傷の的にならないよう祈るばかりだ。
先月あたりのニュースでは、自衛隊にいた女性が勇気を持って訴えて加害者に謝罪をさせたものの、その表情は明るいとは言えなかった。
トラウマを持つと表情が乏しくなる。心を閉ざして、悪い記憶を思い出さずに生きていかなければならないからだ。そうさせた罪は重い。
「魂の殺人」と呼ばれる所以である。