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ダヴィンチ手術

コラム ~テイクイット・イージー~

ゴルフで知り合ったご夫婦の奥さん62歳、元気に見えたが数年前に大きな病気をしたという。気が合い何時間も色々話すうちに、実はスキルス性胃がんだったと話した。胃を3分の2取ったので、うっかり食べすぎると急に具合が悪くなるそうだ。


1993年、アナウンサーの逸見さんがスキルス性胃がんを公表してから多くの人々がその病気を知り、がん検診に足を運ぶようになった。人気者であったために、その闘病や早すぎる死は強く印象に残っているだろう。


奥さんが、胃痛で病院に行ってたまたま見つかったのがスキルスであり、仕事ばかりだったご主人はかなりショックを受けうろたえたという。
しかしながら最新機器の医療支援ロボットである「ダヴィンチ」が適応の症状であったのと、その1か月前に保険適応になったばかりの幸運が重なり、3年で元気にゴルフも再開できていた。


低侵襲技術(生体の傷を最小限にできる)と、3D画像を見ながら人の手の動きを再現して、さらに手首より大きな回転ができる器具を使用すると、手ブレも補正しながら非常に精微な手術ができる。医師の体力消耗も軽減できるため、より集中力が保てる。また傷が少ないために退院も早いので、患者さんの回復も早まる。奥さんは抗がん剤も使用しなかったので、それも早い回復につながったのだろう。

ただ本人曰く、いくら小さな傷でも痛かったとの事。家に帰ってからの生活は本人の我慢はもちろん、家族の協力も必要となるのだ。これまでガンの手術は成功しても、その後の治療、副作用などで体力を消耗し、亡くなる患者さんをたくさん見てきた。


がんは今や死ぬ病気ではない。ストレスを減らし運動をし、きちんと食事、よい睡眠をとる。いくら養生しても病気になる時もあるが、希望を捨てる必要はなくなってきた時代である。