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天然の防虫剤

Culture

今月最初の水曜日5月5日は残念ながら太極拳の練習はできませんが、端午の節句、そして夏の始まり「立夏」にあたります。

私たち家族が暮らしている集合住宅のベランダから手が届きそうなほど、スラっと高く伸びているクスノキが小さな花を咲かせ、輝くような豊かな黄緑色の葉が気持ちよさそうに春の土用の風を受けていました。

多くの神社の境内を爽やかに守ってくれているクスノキ(楠)、3月のお知らせの写真にも登場していました。

身近で私たちを見守ってくれているクスノキたちから人類は古来より1000年以上にわたって天然由来の防虫剤である樟脳を採取してきました。

独特のツーンとした香りがありますが、意外に衣服に残らず、使用方法さえきちんと守れば安全性の高い物質です。

私は子どもの頃ぜんそくの症状があり、大人になってからもアレルギーや化学物質による体調不良に悩まされてきたので、衣替えの季節は自然食品を扱っているお店で樟脳を買うようにしています。

市場に大量に出回り派手に宣伝広告されている合成防虫(殺虫)剤は発ガン性があるなど人体に対して極めて危険な物質を含んでいる、とアレルギーの勉強をする中で学びました。

合成防虫(殺虫)剤であるナフタレン、パラジクロルベンゼン、無臭で余計に怖いピレスロイド系、ディートの危険性については『暮らしの安全白書』(学陽書房)に詳細に記載されているようです。

そして夏場に向けて樟脳と同じ時期に購入するのが、菊花線香。

除虫菊から採取された、蚊成虫が嫌う「忌避成分」を含み、合成殺虫成分を使用していないものです。

除虫菊から採取されるピレトリンは人間の体内に入ると熱分解されて対外に排出されやすく、残留しにくいため人体に無害として使用されてきています。

ただ他の昆虫類、両生類、魚類、甲殻類等には強い毒性を示すそうなので注意は必要です(哺乳類、鳥類には影響がないとのこと)。

大人になって投票するようになり、夏場の投票所が恐怖でした。

実際、倒れそうなほど具合が悪くなったりしていたので、あるとき思い切って地元の選挙管理委員会に「忌避成分」のみの菊花線香を代わりに導入してくれないかと電話で事前に頼んでみました。

先方にとっては聞き慣れない「き、く、か、せ、ん、こ、う」を連呼しながら・・・。

無臭で怖いピレスロイド系や、アレスリン等を使用したマット式の電気タイプのものも危険である旨もお伝えしました(ノーマット式、液体式のものはさらに危険!)。

その結果、しっかりと対応してくださって、投票所はこれまでとはちがう、優しく感じられる香りに包まれておりました。

これなら自分も安心な上、働いてくださる選挙スタッフのかたの健康や、投票所として使用されている学校の体育館をまた翌日から使う子どもたちの心配もせずに済みます。

昨年の都知事選のときも事前に電話で確認をしたら担当者のかたが「前回のお電話よく覚えてますよ!今回も大丈夫ですよ」と実に温かく誠実な対応でした。

かつてわが子が通っていた保育園では虫よけスプレーだけはアロマオイルを使用した(人間には)安全なものが使われていたので、線香のほうも!と思い、自宅で使用しているのと同じものを持っていって、代わりに使ってほしいとお願いしたら快く替えてくださいました。

小学生になってからお世話になった学童保育施設でも同様の対応をしていただけました。

自分が学びを怠らず、信念と勇気を持って行動することは大切だと確信しています。

クスノキさん、除虫菊さん本当にありがとう!!

現状では市場でのシェアが小さくても「当たり前の安全」を追求したモノづくりをしている企業がもっともっと注目されることを願っています。

自宅ベランダ前のクスノキたちが見守るのは改修中の区立体育館と広場。

広場の工事の影響か、残念ながら今年はカエルたちの姿が見えなくなってしまいました。工事が終わったら戻ってくるかな・・・。

もうすぐ夏を迎える東京。

極地付近や海面上昇に見舞われている赤道直下の国や地域に比べれば、これまでの変化はまだ緩やかでした。

しかし日本列島への気候危機の影響はもはや必至です。

私たちの身体も生態系の一部。丁寧にいたわって、練習で良い汗をかいていきましょう。o(^-^)o

デュ・アン 太極拳クラブ講師 青山明子